新築建売住宅の購入を検討している方にとって、「値引き」の可否はとても気になるポイントのひとつです。とても関心が高い分野だからでしょうか、建売住宅の値引きにまつわる様々な噂(値引きの”相場”や要請する”タイミング”、対象となりやすい”物件”など)が常にネット上では飛び交っています。実際のところは、地域の商慣習や、業者の経済的体力や市況、見込んでいる事業収益等によって、値引きの可否はケースバイケースです。そこで本コラムではそれらの値引きにまつわる噂の真相を、首都圏で建売住宅を自ら売主として販売している大手業者に確認した内容で解説していきたいと思います
Q1ー値引きの相場は販売価格の3%ってホント?
Q2ー業者の決算月は値引きしてくれるってホント?
Q3ー値引きの話をするタイミングが大事ってホント?
どの項目についても「絶対にある!」とほぼ断定しているようなサイトも見受けられますが、さて、実際はどうなのでしょうか。見ていきましょう。
目次
アンサー
「この話はあちこちで聞きますが、建売住宅を売主として自ら販売している当社のような会社の物件においては、全くそういう事実は該当しません。仲介業者さんの斡旋が介在するような業者の販売物件において、直接取引をする場合に限って、支払を免れる仲介手数料3%分をディスカウントしてくれ、という意味でおっしゃる方がいらっしゃるのかもしれませんが、仲介業者が普段あまり介在していない当社からすると、それは全く当てはまりません。そもそも値引きには相場レートはございません。」
アンサー補足
取引態様によっては3%ディスカウントを要請しやすい物件・交渉相手は存在するようですが、自社物件を直接売っているような業者さんには全く関係のないレートのようです。なので「相場通り3%のお値引きをお願いします」と交渉してもこれは無駄と言えるでしょう。
アンサー
「この話は必ず出ますね。当社は3月が決算月なので、毎年1月の新春販売くらいから2月にかけて、購入検討者様が口をそろえて”もうすぐ決算月ですよね?なんかないんですか?”と皆様おっしゃいます。結論を申しますと、ケースバイケースです。会社を経営されている方だとすぐご理解いただけるのですが、会社は毎年度売上の目標を立てて事業を推進しているので、年度末に「不足」があれば当然値引きをしてでも売り上げたいという可能性はありますが、逆に「間に合っている」場合であれば、値引きしてまでも年度内に売り上げたいとは全く思わないわけです。翌年度の売上目標というのもあるわけですから、そちらに寄与することを前提としている物件であれば、逆に値引きは一切受け付けない、そこまでして契約は致しません、というわけです。」
アンサー補足
会社としての売上目標もありますが、各部署や課、担当者別にもノルマは当然あるので、常にどこかに「不足」(=あともう少し!)がある可能性は否定できないそうです。その会社の決算月や月末、四半期末等の近くで購入検討している方は、ざっくばらんに聞いてみるのがよいかもしれません。
アンサー
「タイミングは大事ですね。物件別にお値引きができるのかできないのかは別として、我々がもっとも警戒・敬遠するお客様のタイプというのは、分譲地に来て早々に”これいくら引いてくれんの?””値引き幅はどのくらいですか”とおっしゃる方々です。他意はなく、地域によってはそれが”挨拶みたいなもの”という風習があるのも理解はしていますが、とにかくそのように迫ってくる方に対しては値引き要請に対する防波堤というか警戒心が皆強まってしまい、担当者は値引きを抑止することにひたすら専念してしまうので、完全に逆効果です。価格の交渉はやはり購入の意思が固まって、その意思表示(例=お申込みする等)をするときが良いと思います。お客様のご購入の意思が不確定のまま値引きの是非を社内問うても、あまり真剣に取り合ってもらえないのが実情で、期待する結果は得られないんです。」
アンサー補足
気に入った物件が見つかり、ひととおり説明を聞いて、知りたい疑問点等をチェックして、明確に購入の意思を告げる時や書面でのお申込みをする際に、値引きの可否を担当者に確認してみるというのが最も良いようです。内情・実情は、真剣に検討をされている方には比較的オープンに値引きができるのかできないのかをお話されているケースが多いようです。
値引きがない場合でも、それに代わるサービスやキャンペーン特典などがないか、確認したほうが良いと思います。建売住宅の売主さんは、季節ごとに検討者様の購入意欲をかき立てる販売促進策を常に考えているそうです。